SIXIÈME GINZA MAGAZINE 022

粋なスタイルを求めて(前編)

Interview with MIHO MATSUURA

各方面でご活躍されているSIXIÈME GINZA世代の方々をお招きし、これまでの生き方や仕事に対する姿勢、一人の女性としてのマインドなどをお話しいただくこのコーナー。今回はSIXIÈME GINZAのMDディレクターを務める笠原が聞き手となって、ヘアスタイリストの松浦美穂さんにお話を伺いました。

ヘアトレンドを牽引するヘアサロン「TWIGGY.」のオーナースタイリスト、松浦美穂さん。モデルや女優など著名人からの信頼も厚く、ファッション誌・舞台など幅広い分野でご活躍中です。心と身体の“トータルビューティ”の提唱者でもある松浦さんに、大人女性のヘアスタイルの見つけ方、美しく進化し続けるための秘訣を教えていただきました。

 

ヘアスタイルとは、その人らしさ

年齢を重ねると髪質が変わり、白髪やボリュームなど気になる点が増えてきます。40代から50代にかけてはヘアスタイルについて迷いだす時期でもありますが、年齢を重ねた女性だからこそ似合うヘアスタイルや、自分らしさを見つける秘訣があるようです。SIXIÈME GINZAのディレクター・笠原は10年ほど前から松浦さんにカットをお願いしていますが、松浦さんとの出会いで考え方が大転換したそうです。「以前はヘアスタイル=髪型という考え方でした。例えば、額が広いから前髪を作りたい、くせ毛をまとめやすくしたい、伸ばしたい、短く切りたいなど、あくまでも表面上の形に終始していました。そんな中、松浦さんは“自分をどういう風に見せたいのか”を聞いてくださった初めての方でした。私のライフスタイルのさまざまな場面を想定し、どのような女性でありたいかをイマジネーションして、自分では気付かなかった潜在的な魅力を導き出して下さいました」(笠原)。

ヘアスタイルとは、その人らしさ=スタイルを表現するものだと松浦さんはおっしゃいます。「ヘアカタログが世の中に普及したことで、ヘアスタイルに対する勘違いが起きてしまったように感じています。ヘアスタイルというのは、“人となり”です。街を歩くと、髪型によってその人の良い部分が生かされていない残念なケースを多く見かけます。つまり、こだわりすぎて残念だったり、反対に無頓着すぎて残念だったりという感じです。私は、その人を引き立たせるために粋なことをしたいけれど、個性を殺すような無粋なことはしたくない。やりすぎも、やらなさ過ぎもダメというわけで、その人が素敵に見える絶妙な“粋”の範囲を探していくのが美容師の作業なのです」(松浦さん、以下敬称略)。

人によって“粋”の範囲は異なりますが、ヘアスタイルの決め手となる“人となり”を、松浦さんはどのように見極めていらっしゃるのでしょうか。「その日に着てきた洋服や靴のヒールの高さ、サロンに現れた瞬間の全身の印象、どのような言葉を発するのか、それらが人となりを探すヒントになります。この人はどのように私にアプローチしてくるのかな、と想像しながらカットに臨む時は毎回ワクワクしますし、ドキドキのライブです」。

自分はどのような女性になりたいのかを考え、その姿を想像することでなりたい自分に近づくのでしょう。潜在的な魅力を引き出してくれるサロンに行けば、今まで気づかなかった自分の新しい面に出会えそうです。


家族の意見より、赤の他人の褒め言葉が自分を上げてくれる

「ショートは無理、ボブは似合わないというイメージを持ちすぎている女性が多いです。80年代以降はボブスタイルが変わりませんでした。本来は日本人が似合うスタイルなのに、ボブには特別な偏見がありますね。私自身、昔は外人ヘアへの憧れが強かったのですが、ロンドンで暮らした経験を経て、日本人が持つ黒髪や直毛の魅力に改めて気付かされました。帰国後は“ボブの概念”を変えたいという思いで、フレッシュなボブスタイルを探求しました」というように、新たなボブスタイルを開拓し多くの大人女性たちをフレッシュに変化させてきた松浦さん。
女性が“その人”らしくなった瞬間が自分の喜びです。鏡の中で“私ってこういう一面があったのね”と気づいて輝くお客様の顔を見るのが大好き。一日中ニコニコして上機嫌で家に帰れます」。自分が変わり、新しい魅力に気づく。その高揚感あふれる瞬間は、どの女性にも訪れるそうです。

今まで挑戦したことがないヘアスタイルになると、初めは不安もあるようですが、「最初はドキドキするけれど周りに褒めてもらうことで。“私って、こんな良さがあったのかしら”と嬉しくなって、自信が持てるようになります。松浦さんに出会わなかったらショートヘアにすることは考えもしなかった。これは私には似合わない、と自分で決めつけてしまっていることは意外に多いのかもしれませんね」(笠原)。

「自分の身内に褒められるよりも赤の他人に褒められる方が嬉しい。先入観のない感想がもらえますから」と松浦さん。新しいヘアスタイルをお友達は褒めてくれるのに、家族からは不評、という事はよくありますが「身内は普段見慣れている私の姿の方が安心なので、変わったスタイルにすると拒絶することも多いのです。旦那さんは変わった自分を見ると急に遠くに行ってしまったような感覚になるので“いいね”とはなかなか言わない。以前、私が前髪を短く切った時、子供に“やめて、恥ずかしい”と言われました。でも、そのような家族の意見を中心に生きていたら、私は一生「守り」の中で”そのままの人”になってしまう。それは嫌だな、自分らしくないな、と思いました。自分の生き方を全て肯定してくれるのは家族ではありません。全てを受け入れて自分のおバカな部分を笑い、ツッコミを入れてくれる家族は大好きですが、私は家族の中の“いつもの私像”を裏切り続けて行くぞという気持ちでいます。そうすると、また固定イメージを裏切られてフレッシュさを保てます。裏切り=フレッシュという感覚を、家族の中でも楽しめば常に新鮮な関係でいられます」。

女性は、男性よりも早いサイクルでヘアスタイルを変えることが必要なのだそうです。「男性は1~2年同じスタイルを継続して、微調整するのがカッコいい。でも、女性は2年くらい同じスタイルだと錆びやすく、3年くらい続けると周りが飽きてきます。ファッションやヘアスタイルは、相手を幸せにするためにあると思っています。フレッシュになった自分を見て相手が嬉しくなると、自分も嬉しくなります。街で“可愛いセーターですね”“その靴いいですね”と褒めてもらえるだけで気分が上がります。それが赤の他人であればあるほど、嬉しさが倍増します」(松浦)。
固定観念にとらわれず、新しいヘアスタイルやファッションに挑戦しつづけることが大切なのですね。

 


TWIGGY. POP UP EVENT開催。
高いパフォーマンス力とこだわりのオーガニック成分で本質的な髪の美しさを実現し、ひとりひとりに最高の満足を約束するヘアケアブランド「ユメドリーミン」の商品を始め、4月に発売された新商品のヘアパフュームも上記期間 SIXIÈME GINZAのPOP UP EVENTにて登場いたします。自身の中に自分宿る“生き生きと輝く力”を引き出し、頭皮と髪を芯から整える、TWIGGY.のプロダクトを是非この機会にお試しください。

 

「ユメ ドリーミン」グロス&パフューム
左から《 air ※6月発売予定 ¥4,536(税込)》  《sun ¥4,536(税込)》  《water ※9月発売予定》

 

インタビュー後半へ続きます

 

TWIGGY. オーナースタイリスト

松浦 美穂(まつうら みほ)

1990年英国より帰国後、ヘアサロン「TWIGGY.」を設立。サロンワークに加え、雑誌、広告、ショーなどのヘアアーティストとしても幅広く活動。自然にこだわったヘアケアプロダクツ「YUMEDREAMING EPICREAN」シリーズを発表。一人ひとりの個性に応じた美容、健康、ファッションを考え、モデルをはじめ、女優・タレントなど、その人の“今”を表現する。人と地球環境を考慮し、オーガニックカフェを併設。2018年よりサロンを「100%自然電力」に切り替え、2019年にはグロス&パフューム発表。

http://www.twiggy.co.jp